Q 
昨年の暮れに父が亡くなりました。 
相続人は、母と兄と私の3人ですが、遺産分けの話が難航し、相続税の申告期限まで遺産の分割が間に合いそうにありません。 
それでも、相続税の申告はしなければならないのでしょうか? 

 

A 
相続税の申告にあたり、申告時までに遺産の分割がされていない場合でも、
分割されていない財産については、各共同相続人が、民法の規定による相続分の割合に従って、
その財産を取得したものとして計算をし、相続税の申告が必要となります。  

この場合、未分割財産については、配偶者の相続税額の軽減の対象となりませんし、
小規模宅地の特例の適用の対象からも外れますので、その分、分割協議後に申告する場合に比べ、税負担額が重くなります。  

その後、申告期限後3年以内に遺産が分割された場合には、配偶者の税額軽減の適用や、小規模宅地の特例の適用がありますが、
適用を受けるためには、当初相続税申告時に、「申告後3年以内の分割見込書」をあらかじめ提出する必要があり、
また、遺産分割の日の翌日から4か月以内に更正の請求書の提出が必要です。  

この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。