遺言についての質問
遺言執行者とは、何でしょうか?
また、遺言執行者は指定した方が良いのでしょうか?
遺言執行者とは
遺言書の内容を実現するために必要な手続きなどを行う人のことをいいます。
民法は、遺言の執行に遺言執行者が関与することを認めています。
遺言者が遺言で遺言執行者を指定する方法(民法1006条1項)と、
指定がない場合や指定された者が辞退したときなどで遺言執行者がいない場合に
家庭裁判所が利害関係人の請求によって遺言執行者を選任する方法(同法1010条)の
2通りの方法が定められています。
遺言執行者には、
相続発生後の財産目録作成や、預貯金や不動産の相続手続きなど、
遺言の執行に必要な一切の行為をする権限があります。
遺言執行者は、全ての場合に必ず指定しなければならないものではありません。
(子供の認知や相続人の廃除をする場合には、必ず遺言執行者の指定または選任が必要となります)
遺言執行者がいない場合のデメリット
例えば、遺言執行者がいない場合で、
遺言書で「○○銀行の預金を長女に相続させる」と書かれた遺言書があった場合に、
いざ換金をしようとしても、金融機関の窓口で、相続人全員の署名・捺印を求められる場合があります。
遺言書に遺言執行者の指定のない遺言書の場合には、
相続手続きの一切は相続人全員が行うことになるので、金融機関での解約や名義変更の手続きを、
相続人や受遺者が単独で実行することができないことが一般的です。
意外と大変!!遺言執行者の業務
遺言執行者には、相続人を指定することも可能です。
しかし、遺言執行者は、
役所や金融機関に平日の昼間に何度も足を運ぶ必要があり、相続人にとっては大きな負担となる可能性があります。
相続の専門家に任せることも検討してみる
煩雑な相続手続きには、専門的な知識が必要となる場合もありますので、
利害関係のない第三者、なおかつ専門知識をもつ相続の専門家に遺言執行者を依頼することで、
相続手続きをスムーズに行うことが出来る場合もあります。
遺言書の目的は、「遺言書を残すこと」ではなく「遺言書の内容を実現すること」です。
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