例えば、父Aと母Bの間に子C・DがいてAが亡くなった場合に、生前Aが営んでいた農業にBが長年協力してきたとき、その協力を無視し相続を認めるとBは不利益を受けます。

寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与(つまり貢献)をした相続人に対し、その者本来の相続分(法定相続分)に一定の加算をして、相続人間の実質的衡平を図る制度のことです。

 

●寄与分の要件

寄与分を請求できる者の要件は、以下の2つとなります。
​其の1
相続人であることが必要となります。内縁の妻や、相続放棄をした者は寄与分の対象にはなりません。
其の2
先でも述べたように、被相続人の財産の維持または増加につき「特別の寄与」をした者でなければなりません。「特別の」ものでなければならないため、夫婦間の協力扶助(いわゆる「内助の功」)などの通常の寄与では足りません。

●寄与分の請求

手続特別の寄与の有無や寄与分の価額の確定は原則として、相続人間の協議にて行われます。
しかし、協議が調わない時には、寄与をした者が家庭裁判所に請求し、調停・審判によって決定します。
 

●寄与分の算定

相続人間の中に寄与分権利者がいるときの相続分の算定方法は、被相続人が相続開始時に有した財産の価額から、寄与分を控除(取り除いた)したものを相続財産とみなし(みなし相続財産)、みなし相続財産を法定相続分等によって分けたものに寄与分を加算したものが、寄与分権利者の相続分になります。

 

 

寄与分には、遺留分減殺請求及び、寄与分の譲渡を認めていませんが、寄与分の代襲相続は認められます。

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この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。