公開日2021年8月24日


田舎の家秋の風景画像

Aさんの父は5年前に亡くなり、母は山形県の実家に1人で住んでいます。

 

Aさんは横浜で夫と子供と暮らしていますので、実家に帰るつもりはありませんが、

 

もうすぐ80歳になる母が実家の財産の管理をしていけるかが心配になってきました。

 

 

 

また、母は「病気や認知症になるまでは、思い入れのある実家に住みたい」と考えており、Aさんは母が認知症等になった後の介護についても不安があります。

 

そこで、どうにかできないかとインターネットで調べたところ、「家族信託」という方法を使えば、遠くにいながら母の財産を管理できることを知りました。

 

この記事では、Aさんが家族信託を活用して実家の管理をする方法、また家族信託を使った介護問題の解決策をご紹介いたします。

 

例えば、今回のAさんの場合は次のような信託契約をすると良いでしょう。

 

【信託契約案】

・委託者=母

※委託者とは、信託財産を預ける人のことです。

・受託者=Aさん

※受託者とは、信託財産を預かる人のことです。信託財産は預かった人の名義に変更されます。

・受益者=母

 

※受益者とは信託財産によって利益を受ける人のことです。今回の例では、実家に住む権利や実家を売却したときの代金、生活費、医療費、介護費用の支払いを受ける権利が受益者のものとなります。

 

・信託財産=実家の母名義の自宅不動産と母名義の預金1000万円

 

こうすることによって、信託財産である実家の管理を横浜にいるAさんに任せながら、母は実家の山形に住み続けお金の管理をやってもらうことができます。

 

もし、「家族信託」を使わずに母が実家の不動産とお金の管理を続けていると、急に倒れた場合や病気になった場合に実家の不動産や母のお金の管理をする人がいなくなってしまいます。

 

もしものときに備えて、元気なうちから実家の管理をAさんに任せておくことが大切なのです。

 

また、この「家族信託」は、母が認知症になってしまった場合に大きな効果を発揮します。

 

 


家族信託を活用して介護問題を解決

 

認知症になると判断能力が低下するため、たとえ自分名義の預金も下ろせなくなるし、家も売ることができなくなってしまいます。

 

今回、Aさんの母は「認知症等になるまでは実家に住み続けたい」と考えています。

 

しかし、家族信託を活用せずに認知症になるまで実家に住み続けていると、いざ認知症を発症したときに、施設入居や医療費が必要になっても実家を売却することができず、介護施設の入所費用を準備することができなくなってしまうのです。

 

もし、母が介護施設に入所した後は実家を売却して介護費用に充てようと考えている場合は、家族信託を活用してスムーズな自宅換金と施設への入所を実現しましょう。

 

例えば、先ほどの信託契約案のとおりに家族信託を行ったとすると、実家の名義はAさんに移りますが、実家に住む権利は母のままとなります。

 

家族信託を締結したあと母が認知症になった場合、実家の名義はAさんにありますので、Aさんが実家を売却することができるのです。

 

しかし、ここでよく質問があるのが「実家を売却したときの代金は誰のものになるのか?」ということです。

 

今回の信託契約では自宅が信託財産となっており受益者が母となっていますので、実家を売却したときの代金も母のものとなります。

 

売買代金は受託者の銀行口座に入金されます。

 

したがって、母が入所する介護施設の費用を、実家の売却代金で支払うことができるのです。

 

実家の売却を機に、Aさんの住む横浜の施設へ母を入所させることによって、安心して看護に専念することができるのではないでしょうか。

 

 


まとめ

 

家族信託には、親の財産の日常管理ができるだけでなく、親が認知症になったときに財産の処分ができるというメリットがあります。

 

家族信託契約は親が認知症になってからでは結べません。

 

「認知症になってからでは遅かった。」と後悔することがないように、元気なうちから家族信託を活用して円満な老後を実現しましょう。

 

ソレイユ財産管理では、実務経験の豊富な専門家があなたに合った家族信託のご提案やアドバイスを行っております。

 

家族信託についてご不明な点がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

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