遺言は思い立った時に、その時の状況で書くことをお勧めしております。
先々の事が決まってから書こうと思っても、なかなか書く内容を決めらないものです。
 
例えば・・・
Aさんは奥様と長男・次男の4人家族です。
自宅はまず妻に相続させたいが、直接同居の長男に相続させても良いと考えています。
ただ、現在長男は単身赴任で家族を残して海外に赴任している。
 
Aさんは妻に自宅を相続させる旨の自筆の遺言を遺してあります。
遺言は何度書き直してもよいので、状況が変わったら書き直すつもりでした。
 
Aさんの遺言
 
第一条 遺言者は、次の不動産を遺言者の 配偶者 甲の花子(昭和〇年〇月〇日生) に相続させる。
  
    自宅の所在地 ~ 他 を記載
 
その後、Aさんは海外から戻ってきて、二世代で同居しています。
 
しかし、その後Aさんは認知症になり、奥様が病気でAさんより先に亡くなってしまいました。
Aさんが亡くなった後で、遺言は見つかりましたが、奥様が先に亡くなっていたので、自宅は長男、次男の二人で遺産分割協議を行って分けることになりました。
このようなケースで、Aさんが「予備的遺言」を入れておいたらどうなっていたでしょう。
 
予備的遺言の例 第二条が予備的遺言の内容になります。
 
第一条  遺言者は、次の不動産を遺言者の配偶者 甲野花子(昭和〇年〇月〇日生) に相続させる。
  
    自宅の所在地 ~ 他 を記載
 
第二条  遺言者は、配偶者 甲野花子が遺言者の死亡以前に死亡していた場合には、前条の財産を、遺言者の長男 甲野一郎(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
 
第二条がある事によって、配偶者が先に亡くなっている場合でも、遺言者の希望通りになります。
 
遺言は、先々の事を考えすぎても書けませんが、今わかっている事で書けることは書いておきたいものです。書き直したくても認知症になってしまうとそれもかなわなくなります。
 
遺言は思い立った時に書いておくことをお勧めします。書いている途中で疑問に思った事等あれば、ためらわずに専門家に相談する事をお勧めします。
特に相続税や贈与税はもらった人にも影響があります。ぜひ無料相談をご利用ください。