家族信託(法律の正式名称は=民事信託)は、信託銀行や信託会社(正式業務の名称は=商事信託)で取り扱ってくれるのか? という質問を受けます。答えは信託銀行や信託会社では家族信託は取り扱ってくれないのです。民事信託と商事信託は法律も違うし、内容も根本的に違うものです。
■ 商事信託は営利を目的とします
民事信託は営利を目的としませんが、商事信託は営利を目的としている点です。信託を商売でやるか商売とせずにやるかの違いです。
■ 財産を預かる人(=受託者)は誰か?
民事信託は家族の間で信託契約を結び、家族の財産を家族が信託されて財産を預かります。
商事信託は、信託銀行や信託会社が手数料を取って商売として財産を預かる(信託を受ける)のです。財産を預かるのは信託銀行や信託会社です。
■ 信託できる財産の違い
家族信託では普通に家族間で「自宅不動産」が信託財産にできます。自宅の維持管理や万一の時の売却を、認知症対策として家族に信託するものです。
信託銀行や信託会社では、ご自宅の不動産を原則として信託財産として取り扱ってくれません。よほど敷地が広く有効活用が可能で収益を見込める自宅なら別かもしれませんが、商売として成り立たない規模では信託財産とはならないのです。従って、一般の方が信託銀行や信託会社に信託するのは預金が中心になります。
信託会社や信託銀行は国からの免許で商売をしているので、免許によって取り扱える信託も違ってきます。運用型の免許や管理型の免許によってできる内容が違います。預かった財産を投資することができる免許や預かった資産を目的に沿って使うだけの免許もあります。
家族信託は、原則として信託可能な財産であれば、どのように預かって運用するかも含めて契約の中で、ある程度自由に決めることができます。
ただし、現在ではまだすべての金融機関や証券会社が家族信託制度に対応してくれないので、家族間で信託契約を結べても、家族間で信託された財産として預かってくれる金融機関は多くありません。また証券会社は無いに等しいので、預かった家族が信託財産として金融機関や証券会社に預けるときに不便な思いをすることになってしまいます。
■ まとめ
商事信託は、お客様から財産を預かって信託銀行等が受託者となり財産を管理します。さらに、運用(収益をあげる)する信託業の免許をもって行うため、信託報酬の支払いが発生します。
近年の高齢化社会にともない認知症対策向けの信託商品が発売されるようになりました。
しかし信頼できる家族がいるのであれば、まずは家族信託で希望する財産管理と相続対策が可能となるか検討されることをおすすめします。
成年後見制度ではできない財産の運用や処分が家族で行えることや、遺言と同様な役割を家族信託では設計できます。家族信託の設計には相続税や贈与税の知識が不可欠です。家族信託専門の税理士と相続コーディネーターを交えたご相談をお勧めいたします。
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