作成日2021年8月19日


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亡くなった人から受け継ぐ財産には、相続税がかからない非課税財産があります。
一体、どんな財産が非課税財産になるのでしょう?


 (目次)

1.相続税の計算から非課税財産は控除できる

2.相続税の非課税財産

3.まとめ

 

 相続税の計算から非課税財産は控除できる

相続税の計算をする時には、取得した財産から非課税財産や債務及び葬式費用を差し引くことができます。

   相続又は遺贈により取得した財産 – 非課税財産 – 債務及び葬式費用 


この非課税財産について下記にまとめてみました。

 

 相続税の非課税財産

相続税がかからない非課税財産のうち主なものは次のとおりです。

墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物

ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有しているものは相続税がかかります。将来の換金をもくろんだ純金製の仏具は認められないので注意が必要です


相続によって取得したとみなされる生命保険金のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分


相続によって取得したとみなされる退職手当金等のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分


相続や遺贈によって取得した財産で相続税の申告期限までに国又は地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄附したもの、あるいは、相続や遺贈によって取得した金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託の信託財産とするために支出したもの

寄付する相手が限られているので要件をよく確認することと、相続税の申告期限(相続の開始を知ってから10ケ月以内)に寄附することが要件なので注意が必要です


宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人等が相続や遺贈によって取得した財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

財産を取得した人が2年以内に公益を目的とする事業に使わなかった場合には課税されるので注意が必要です


地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利


個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの

なお、相続人のいずれかが引き続きその幼稚園を経営することが条件となります

 

 まとめ

相続税の非課税財産は相続税の節税に活用することができます。

①生前に墓地や仏壇を買っておいてはどうでしょうか?

課税財産の預金が非課税財産に置き換わって相続財産が減ることになります。

②一時払いの生命保険をかけておくのはどうでしょうか?

課税財産の預金が非課税財産に置き換わります。ただし、限度額があることと、契約者・被保険者・保険金受取人は専門家に相談してから決めることをおすすめします。

③寄付は有効です。

生前に遺言で寄付を書いておくことも節税に有効になりますし、遺族が寄付をする場合にも節税になる寄付ができます。

ただし、税務署は寄付にはうるさいので相続専門の税理士に事前に相談しておくことは必要になります。

 

いずれの節税策を選択するにしても、

ご自身の相続財産がいくらあって、現時点で相続税がどのくらいかかるのかは、

専門家に計算してみてから始めた方が良い結果が得られると思います。

この記事の監修者

糸山 優子

糸山 優子(税理士)

埼玉県出身。家庭と仕事を両立させながら日々資産税業務に携わる中で、持っていた税理士資格をお客様のために活かそうと、令和2年に税理士登録しました。
一般企業での勤務経験、家族を大切にする家庭人としての経験を、相続で悩むお客様に寄り添った、丁寧で安心できる対応に活かして相続専門の税理士として活躍中です。