公開日 2021年6月22日
死亡前「3年以内の贈与」は相続税の対象に
節税対策の一つである生前贈与とは、その名のとおり「生きているうちに自分の財産を他人に贈与する」し、財産を次の世代に移転しておくことです。相続税の対象となる財産を減らすことで相続税を安く抑えることができます。
しかし、節税のために贈与した財産にも相続税が課税されてしまうケースがあります。
それが「被相続人(亡くなった人)の死亡前3年以内の贈与財産」です。
簡単にいうと、被相続人が贈与をしてから3年が経つ前に亡くなった場合、その贈与財産は相続税の対象となってしまうのです。この規定のことを「生前贈与加算」といいます。
例えば、AさんはBさんに対して2,000万円の贈与をし、その2年後に亡くなったとします。この贈与はAさんの死亡前3年以内に行われた贈与ですので、Bさんが受け取った2,000万円は相続税の対象となります。
しかし、生前贈与加算には「対象者」がおり、死亡前3年以内の贈与であっても、その贈与を受けた人が対象者でない場合は、相続税の対象になりません。
生前贈与加算の対象となるのは、被相続人の死亡前3年以内に贈与を受けた人で、且つ「相続や遺贈により財産を取得した人」です。
そのため、亡くなる前3年以内に贈与を受けた場合であっても、相続や遺贈により財産を取得していなければ、贈与された財産に相続税が課される心配はありません。
相続税・贈与税がいくらかかるかを考慮して、計画的に生前贈与を進めていきましょう。