Q.相続税の負担を考えた分割をするには

Aさんは 二人兄弟で、数年前に母親が亡くなり、今年に入って父親が病気になったことから相続税の事が心配になっています。

Aさんの父の財産は自宅と生命保険のみで、Aさんも弟もそれぞれが自宅を購入して別生計となっています。

Aさんの父は、長男であるAさんに自宅の不動産を相続させて、Aさんの弟には死亡保険金の受取人にしてあるのでその他の相続財産は

なくてもよいと考えています。

Aさんは父が亡くなった場合の相続税がいくらになるのか知りたくて相談にやってきました。

A.解決の方向

Aさんのお父様の相続税シミュレーションをしてみたところ、 不動産の評価と死亡生命保険金の合計で、基礎控除をはるかに超えてしまい

相続税額約500万円の納付が必要なことがわかりました。

ご自宅については、小規模宅地の特例は使えないこともわかり、また、納付すべき相続税額約500万円のうち、300万円はAさんが

200万円を弟さんが支払う計算となりました。

Aさんは、不動産しか相続しないので、このままだと、一時に相続税を納付するのは 苦しい状況になることがわかりました。

弟さんは生命保険が振り込まれるので現金で相続税を払うことができますが、Aさんは不動産を相続するので、不動産を売るか自分の貯金から

相続税を支払うことになります。

Aさんには、相続税の計算は、お父様の全財産に対する相続税を計算して、それを相続した財産の価格で按分して、各人が払う相続税が決まる

ことをご説明しました。

Aさんは、ご自分で貯金するか、お父様に生命保険の受取人に自分も加えてもらって相続税相当額の保険金が受け取れるようにお願いするか、

検討してみることになりました。

 

この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。