未成年者控除

相続人が未成年者のときは、その未成年者の養育費や教育費の必要性を考慮し、相続税額から一定の金額が控除されます。
 
 

未成年者控除が受けられる人

未成年者控除が受けられるのは次のすべてに当てはまる人です。
①相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人、又は、相続や遺贈により財産を取得したときに
日本国内に住所がない人で一定の要件を満たす人。
ただし、一時的に日本国内に滞在していたものとして認められるものは除かれます。
②相続や遺贈で財産を取得したときに20歳未満である人
③相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人であること。
相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合において法定相続人であること。
 
 

未成年者控除の額

未成年者控除として相続税の額から控除することができる金額は、その未成年者が満20歳になるまでの年数1年につき10万円で計算した額です。(1年未満の期間は切り上げて計算します。)
 
≪計算例≫
相続開始の時における未成年者の年齢が14歳5か月の場合は、20歳までの年数は5年7か月ですので切り上げて6年として計算します。
したがって、未成年者控除額は、10万円×6年で60万円となります。 
 
なお、未成年者控除額が、その未成年者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れないことがあります。
この場合は、その引き切れない部分の金額をその未成年者の扶養義務者(※)の相続税額から差し引きます。
2人以上いる場合は協議により自由に控除する金額を決められます。
 
また、その未成年者が以前の相続で未成年者控除を受けているときは、既に控除を受けた金額を再び控除することはできません。
 
   (※) 扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち家庭裁判所審判により扶養義務者となった者をいいます。

この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。