Q.相続時精算課税制度を使ってしまったが…

Aさんは、3年前に 相続時精算課税制度 を使って、息子と娘に現金2500万円ずつ贈与をしていました。

その他に 金融資産で 3000万円持っています。

税制改正前は相続時精算課税制度を使っても、相続税の基礎控除が奥様も入れて8000万円あったので、この制度を使って贈与をしました。

しかしAさんの場合、税制の変更で平成27年1月1日以降の相続等では、相続税の基礎控除が4800万円に下がってしまうので、

相続時精算課税制度を利用した息子と娘への贈与分だけで二人で、5000万円の相続財産への加算となり、課税されてしまうことになりました。 何か節税策がないかご相談に来ました。

A.解決の方向

相続時精算課税制度を使うと、使った金額は、そのまま相続財産として計算されてしまいますので、Aさんはその分だけで基礎控除を超えて

しまうことになります。 一度選択すると取り消すことはできません。

また、この制度を選択すると、1年間に110万円以下の特定贈与者からの受贈であっても申告することが必要です。
Aさんが亡くなった場合、その相続人に相続税を課税されない方法は、マイナスの財産(借入等)がある以外には考えられなくなって

しまいました。

Aさんには、お持ちの預金の一部を 生命保険に換えて財産を減らす方法と 不動産を自己資金と借入の組み合わせで購入する方法が

あることをご説明いたしました。

Aさんは不動産投資をせずに、一時払いの生命保険の加入と お孫さんへの生前贈与で金融資産を減らす対策で税額を減らすことになりました。

この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。