相続とは、人が亡くなったときに、亡くなった人と一定の親族関係にある人が財産上の権利・義務を承継していく意味合いを持っています。

したがって、「相続」と「一定の親族関係にある人」は、切り離すことができません。

では、親族関係にある人がいない、または身内がいても頼ることができない「おひとりさま」の相続はどうすればよいのでしょうか。

家族関係の変化と高齢化世帯の増加にともない増えているのが、身内のいない、あるいは身内がいても頼ることができない「おひとりさま」です。さらに、子どもや兄弟姉妹といった血縁者がいても、彼らの支援を受けられない、あるいは受けたくないという人が増えてきています。

そのような方々にどんな事情があっても、必ず直面するのが「財産管理」や「相続」、「死後事務」です。

元気なうちに準備することが大事!

自分の一生を掛けた財産を、自身の余生と次世代へ活かしたい!そのためには、お元気なうちに生前対策をしておくことが大事です。

死亡後に財産を贈与する「遺贈」を示した遺言書を作成しておく

相続人が財産を引き継ぐことを「相続」というのに対し、遺言書によって死亡後に財産を贈与することを「遺贈」といいます。

近年、相続人でなくても財産を遺せて、希望する団体などへの寄付で社会貢献もできる遺贈希望者が増えてきています。なかでも、「子ども・配偶者なしのおひとりさま」が希望される傾向が高まっているようです。

遺言をのこさず、何も準備していない場合

両親や兄弟姉妹など、法定相続人が一人もいない「おひとりさま」が、遺言をのこしていない場合は、遺産はすべて「国庫に帰属」することになり、すべて国の財産となります。

安心して相談でき、諸手続きを代行してくれる相続専門の税理士と契約を結んでおく

自分に万一のことがあった時のために、元気なうちに安心して相談できる「相続の専門家」に相談をし、的確なサポートを受けることです。

「おひとりさま」の安心対策として、「任意後見制度」や「死後事務委託契約」などがありますが、これらの契約は相続の専門家に依頼することができます。

・任意後見制度/信頼できる人を選んで後見人の契約を結んでおき、万が一認知症などで判断能力が低下した場合は、後見人が本人に代わって財産管理などを行う仕組み。公証役場で公正証書を作成し、法務局にその旨が登記されます。

・死後事務委託契約+遺言/万一の時には、役所への諸手続き、埋葬・葬儀、遺品整理、各種契約の解除、相続手続きなどが発生します。「おひとりさま」の場合は、この死後事務を行う人がいないことが多々ありますが、死後の煩雑な事務手続きを生前にうちに信頼できる人に委任しておくことができる制度が「死後事務委任契約」です。

死後事務委任だけだと、財産承継の部分については対応できませんし、遺言だけ書いても死後事務については任せることはできません。「死後事務委託契約+遺言」という2つの公正証書で諸手続きの事前準備ができます。

相続全般に精通した「相続の専門家」に相談が必須

聞きなれない「死後事務委任契約」。おひとりさまの増加とともに「死後事務委任契約」を使われる方も増えていくものと思われます。

一つの専門分野に偏らず、遺言作成から死後の必要な手続き、相続税・贈与税に精通した税務のプロでなければ「死後事務委任契約」を安心して任せることはできません。

「ソレイユ相続相談室」は、「おひとりさま安心パック」をご用意し、「おひとりさま」の相談をお受けしています。ご自分の相続に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。