間口が狭い宅地の相続税評価
間口狭小補正率による補正
路線化方式で宅地の相続税評価をする場合に、間口が狭い宅地を評価することがあります。間口が狭小な宅地は使い勝手が悪いため、標準的な宅地の評価と比べると評価額が低くなります。相続税における評価でも同様に考え「間口狭小補正率」という、その土地の地区区分と間口距離に応じて定められた割合を使って路線価を減額補正した上で評価します。路線価は標準的な宅地を前提として決められているので、このような補正が必要になるわけです。なお、倍率方式で宅地の相続税評価をする場合、各市区町村が算出している固定資産税評価額が既に間口距離に応じた補正後の評価額ですので、「間口狭小補正率」による補正は行いません。
奥行長大補正率による補正
間口が狭い宅地はそれだけで使い勝手が悪いと考えられますが、その宅地の奥行距離が間口距離の数倍以上ある場合は、更に利用効率の悪い宅地として「奥行長大補正率」によって路線価を減額補正した上で宅地の相続税評価を行います。ただし、倍率方式により評価する宅地は間口狭小補正と同様に、この「奥行長大補正率」による補正は行いません。
間口距離の考え方
間口は宅地の正面が道路に接している部分の距離をいいますので、評価しようとする宅地が2以上の道路に面している場合には、どの路線に接している面が正面であるのか決めなければなりません。相続税の評価においては宅地に接している路線の路線価に奥行価格補正率(前述の「奥行長大補正率」とは別のものです。)を乗じて計算した金額のうち、最も高い金額になった路線に接する部分を正面としています。
間口が狭小な宅地の評価について
間口が狭小な宅地の自用地としての相続税評価額は次の算式により計算されます。
(算式)
評価額 = 路線価(※) × 間口狭小補正率 × 奥行長大補正率 × 地積
(※)この場合の路線価は、土地の区分と奥行距離に応じた奥行価格補正率により補正された後の路線価ですので注意してください。
間口は狭いが面積が広い土地の場合
間口が狭い宅地であっても、その面積が広いものである場合には、それぞれの補正率を修正されることがあります。周辺の宅地の状況から、間口が狭いことがそれほど評価減の根拠とならないような場合があるためです。