〇質問
同居していた私の父は今から7年前に他界しました。
相続人は4人でしたが、遺産分割は終わっていますが相続税の申告はしていませんでした。
この場合にどうすればいいでしょうか?
遡って申告をする必要がありますか?
 
 
〇回答
まず、亡くなられたお父様の遺産額が相続税の基礎控除を超えるのか確認しましょう。
相続税は亡くなった人の遺産額が基礎控除(平成27年以降は3000万円+@600万円*相続人の数)を超える場合に申告が必要になります。
 
次に相続税の申告が必要であった場合には、相続税の法定申告期限内に申告をする必要があります。
法定申告期限は今回のケースではお父様が亡くなったことを相続人が知ってから10か月以内となります。
これは、例えば、亡くなった人と疎遠であった相続人の場合には亡くなったこと自体を知らなかったというケースもありその場合には亡くなったことを知った日から10か月以内ということを言いたいわけです。
そうでない場合には基本的には、亡くなった日の翌日から起算して10か月以内になります。
 
今回の場合のケースでは申告期限が過ぎています。
本来であれば申告すべきであったのに申告をしていない場合には税務署の調査後、「○○○円税金を支払いなさい。」という更正決定通知がなされることがありますが、税務署から何も言ってこないまま7年を経過してしまったのであれば申告は不要です。
理由は税務署が上記の更正決定をできる期限は法定申告期限から5年と決まっているのです。
いわゆる時効です。
然し、この時効は納税者側が「偽りその他不正の行為」をして税金を逃れている場合には7年まで延長されます。
この場合の「偽りその他不正の行為」とは具体的には「税額を免れるという意図をもって税金が課税されたり徴収されたりすることを難しくするような工作を伴う不正な行為をすることです。
よって、そのような意図がないままに単に申告することを知らずに7年たったということであれば時効が成立しており申告は不要です。
 
相続税の申告はまず申告が必要か否かの判定をすることが重要です。
相続税の申告有無の判断についてはソレイユ相続相談室の無料相談会をご利用ください。
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この記事の監修者

宮澤 博

宮澤 博 (税理士・行政書士)

税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。