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相続税の時効

Q:相続税にも時効があるって本当ですか?

A:はい、相続税にも時効があります。
 

 
Q:時効を過ぎれば申告・納税の必要はないのですか?
A:その通りです。相続税は、ある一定期間を過ぎると申告と納税を逃れることができます。
 

 
Q:では、相続が発生したときに、申告をせず一定期間が経過すれば時効が成立するわけですね。
A:そういうことになります。
ただし、相続税を逃れたい気持ちはわかりますが、財産を相続した場合、相続があったことを知った日の翌日から10か月以内にそのことを税務署に申告しなければなりません。仮に申告をしなかった場合、税務署は時効までに相続税を課税しようとしてきます。税務署の情報網からはそう簡単に逃れることはできません。さらに悪いことに、申告をしなかったことについて悪意があったと認定されると時効までの期間が長くなってしまいます。
 

 
Q:相続税の申告をしなかったことが税務署にわかってしまった場合はどうなるのですか?
A:税務署は相続税を払う必要があるのに申告していない人に対しては「決定」という手続きを取ることになります。
「決定」とは、税務署が税務調査に基づき相続税の額を決定し、それを納税者に「支払うように!」と一方的に通知をすることを言います。
この「決定」の手続きについては期限が決まっており、申告期限から5年(贈与の場合は6年)で時効となります。
つまり、申告期限から5年経過すれば税務署が課税するための「決定」ができなくなるので、相続税の時効が成立する、というわけです。
ただし、申告しなかったことに悪意のある場合には時効までの期間が2年延長され7年になります。
ここでは、少しでも「自分は申告しなければいけない」という思いがあった人は、全て悪意と認定されますから、財産を相続した場合には適正な申告が必要ですね。
 

 
Q:実は10年前に父から5,000万贈与してもらったのですが、申告していません。
7年経過していますから時効は成立ですよね?
A:一概にそうとも言えません。
将来あなたのお父さんが亡くなったときに税務署が調査に来る可能性があります。

その際に贈与契約書等により贈与があった事実が確認できない場合、これは贈与ではなく貸付ではないかと言われるのです。そうなると、この5,000万円はお父さんからあなたへの貸付金ですから相続税の課税対象となってしまいます。

贈与税は課税されなかったけれど、相続税が課税されてしまうわけですね。

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