【コラム】親族内承継のメリット・デメリットについて
経営者の皆様が事業承継について考える時、まずは後継者を誰にするか決めることから始まります。その際、最初に選択肢に上がるのが子供等の親族への承継です。
親族内承継におけるメリット・デメリットには次のようなものがあります。
○メリット
親族へ経営権を承継することのメリットとして、取引先等の関係者からの信用力を維持することができます。また、相続等により財産や株式を後継者に移転できるため、所有と経営の分離を回避できる可能性が高く円滑な経営が可能です。特に自社株は会社の意思決定を行う株主総会で大きな影響力がありますので、株式をいかに後継者に集中させることができるかが、事業承継を成功に導くための大きなポイントとなります。
○デメリット
必ずしも親族内に経営者として相応しい資質、意欲を持つ候補者がいるとは限りません。その見極めをせず安易に承継すると、会社の経営が不安定になり、取引先、従業員にも迷惑をかけてしまいかねません。そして、いざ後継者が決まっても新社長がすぐに会社経営できるとは限りません。社長になるための育成期間も考慮したうえでの計画が必要になります。
さらに自社株が高額となってる場合、承継をどのように進めるかが問題となります。
そこで政府は潤滑な世代交代を促進するため、平成30年度税制改正で「“事業承継税制”の特例」を10年間限定で設けました。今回の特例では、承継するすべての株式にかかる贈与税、相続税が納税猶予の対象(以前の納税猶予株式数は2/3が上限)になり、納税猶予割合も100%に拡大(以前の相続税では80%が上限)され、これまでより活用し易くなりました。事業承継税制は、まず納税猶予とすることで、事業承継時の金銭による納税負担をゼロにすることが可能になりました。
この制度を選択肢の一つとして、現状の課題分析、後継者の選定、教育などを行い、円滑な事業承継を進めていくことを検討してみてはいかがでしょうか。
ソレイユ相続相談室では、事業承継に関するご相談を多数お受けしております。
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