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一部の相続人と音信不通で連絡が取れない場合はどうすればいいのか?

Q.一部の相続人と音信不通で連絡が取れない場合はどうすればよいか?

Aさんは、5人兄弟の末っ子です。
この度、二番目の兄であるBさんが亡くなり、相続のことで相談に来られました。
Bさんは一年前に妻に先立たれ、子どももいませんでした。
Bさんの相続人は、兄妹である末っ子のAさん、一番目の兄の代襲相続人CさんとDさん、四番目の兄の代襲相続人Eさん4人です。
遺産額からすると相続税の申告が必要になり、相続人間で遺産分割協議を行うことになりました。
ところが、Bさんの妻Fさんの相続が終わっていないことが分かったのです。
Bさんの相続を進めるためには、Fさんの相続を終わらせる必要があります。
Fさんは2人姉妹でしたが、姉は既に亡くなっており、その代襲相続人Gさんがいることは分かっていましたが、
AさんたちはGさんに20年以上も会っていません。
Gさんに連絡が取れないため、遺産分割協議が進められずに困っていました。  

A.相続人中に行方不明者がいる場合は

家庭裁判所に不在者財産管理者選任の申立てか失踪宣告の申立てにより、遺産分割協議を進めることができます。 
遺産分割は、共同相続人全員が協議して行わなければなりません。
もし、行方不明の相続人を除いた他の共同相続人によって行われた分割は無効となります。
しかし、それでは行方不明者の所在、生死が分かるまで遺産分割ができず、遺産の管理、相続税の申告納税その他に大きな影響を及ぼすこととなります。 
単に、連絡先を調べる方法が分からず連絡が取れない場合であれば、行方不明者の戸籍から現在の本籍地を調べ、本籍地の市区町村で「戸籍の附票」を取得して行方不明者の現在住所を確認することが可能です。 
上記の方法で住所や居所が判明しない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申立てをします。
選任された不在者財産管理人は、財産を維持管理するだけで、財産の処分等はできないため、別途、家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議を行います。
また、行方不明者の生死が7年以上不明の状態が続いている場合は、家庭裁判所に失踪宣告の申立てを行う方法もあります。
生死不明になってから7年間(普通失踪)の期間が経過したときに死亡したものとみなされるので、行方不明者を除いた相続人間で(行方不明者の代襲相続人がいる場合は代襲相続人を加えて)遺産分割協議をします。 
相続税の申告については、不在者管理人が行方不明者の法定代理人として考えられるため、不在者財産管理人が申告手続きを行って差し支えないとされています。
また、相続税の申告期限までに遺産分割の協議が完了しなれば、未分割で申告をします。

 

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