「税務署からのお尋ね」が来たら
Q.
父の相続について、税務署から「相続についてのお尋ね」という書類がきました。
おそらく、父の相続財産は相続税がかかる程はないと思うので、分かる範囲で記入しようと思うのですが、後で税務署から確認の連絡などが来る可能性はありますか?
A.
相続が発生すると下記のような「相続についてのお尋ね」といった税務署からのお尋ねの書類が届くことがありますが、届いた場合には安易な判断をせず、専門の税理士に相談し、相続税がかからないこと確認した上で回答をすることをおすすめします。
相続税の申告が必要でないとき(遺産の総額が、基礎控除額を下回る場合)は、こちらに法定相続人に関する情報や所有財産等を記入して回答する事で相続税がかからないこと税務署に伝えます。
ここで注意しなければならないのが、「本当に相続税がかからないのか」の確認をきちんと行わないと、後で大変な思いをする可能性があるということです。
国税庁が平成24年7月から平成25年6月までの間に行った相続税の実地調査(税務調査)は12,210件であると発表しています。
この調査は国税局及び税務署で収集した資料情報を基に申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるもの
や申告額が過少であると想定されるものなどに対して実施され、このうち申告漏れ等の非違があった件数は9,959件で、
非違割合は81.6%と高い割合となっています。
税務署は所得税や贈与税の確定申告書、固定資産税の名寄帳など様々な情報から、それなりの裏付けをもって申告が必要そうな方にお尋ねを出しているので、「我が家には相続税がかかるほどの財産はない」と安易に回答すると、後ほど税務調査がきて申告漏れを指摘され、相続税だけではなく無申告加算税や延滞税(無申告が故意であると判断された場合には最も重い重加算税)など、思いもよらないペナルティを課せられる危険があります。
上記の調査では申告漏れ財産の約半数は現金預貯金等と有価証券からなっているとの調査結果もでています。
これは相続税の計算上、被相続人の財産に含められるものが、相続人の方々の認識よりも広かった、というのが理由の一つでしょう。
したがって税務署からお尋ねが届いた場合には安易な判断をせず、専門の税理士に相談し、しっかりと財産の調査や評価などを行ってもらい、相続税がかからないこと証明してもらうことをおすすめします。
(参考:国税庁HP「平成24事務年度における相続税の調査の状況について」)
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